■シャンプー療法とは?
皮膚病の治療において、投薬や食事管理も重要ですが何より大切なのがシャンプーです。
難治性の皮膚病にはアレルギー性疾患や遺伝性疾患、投薬のみではあまり改善がないものが多いです。
本院ではシャンプー療法として薬浴を行っております。
皮膚の状態、特性は個々それぞれ違います。その子その子に合わせたシャンプー剤をチョイスし、使用していきます。
▼シャンプーの仕方
お湯をかける
先ずは前洗いをしていきます。
目的としては汚れを落とすことです。ですのでシャンプー剤は付けずに行ってください。念入りに肢の指の間まで丁寧にお湯で流していきます。
お湯をかける前にブラッシングすると効果的です。
お湯の温度はやや冷たいかなと思う程度(およそ30〜35℃)で設定してください。
シャンプーで泡立てる
シャンプー剤で洗っていきます。
地肌に直接シャンプー剤を付けるのではなく、いったん手にとり泡だてます。それから揉み込むようにして、またはマッサージをするようにして洗っていきます。
爪は立てず、指の腹で洗うようにしてください。
本院では各部分によってシャンプー剤を使い分けて洗っていきます。
※薬用シャンプーなど刺激性の強いシャンプーを使用する場合は敏感肌の方、妊娠している方などはビニール手袋をして実施してください。
つけ置き(静置)
泡だてた状態で静置します。シャンプー剤や症状によって多少時間は異なりますが、およそ5〜20分間浸透させます。
※この間はジーッと待っておかないとダメなので、その間我慢できない子が多いです。
皮膚症状のあるところから洗い、浸透させている間に別の状態の良いところを洗っていってください。すると全体を洗い終えるくらいで浸透させる時間が過ぎていると思います。
ゆすぎ
とても重要な工程です。
十分に水洗しなければ、逆に皮膚病の元になってしまいます。
洗っている時間(泡立てている時間)の2〜3倍ぐらいの時間をかけるつもりでゆすぎいでください。
このあと軽く水を切った後、コンディショナー・トリートメントをつけます。
乾燥
タオルでしっかり水気を拭き取っていきます。ドライヤーは使用しません。短毛種であればバスタオル1枚程度、長毛種であれば2〜3枚程度使用して乾燥させてください。
※長毛種の場合はドライヤーを使わないと『仕上がりがどうもなぁ〜』という方は冷風で、風口を30cm程度皮膚から離して使用してください。
※ドライヤーの熱刺激はやけどを引き起こすだけではなく、皮膚の水分を過剰にとるので、皮膚のバリヤ機能を損ねます。そうするとフケ、皮膚病変、痒みが出てくる場合があります。
案外これが原因のことも多いです。
できあがり
できあがりです。
どうでしたか?だいたいの流れはわかりましたか?
基本的にはご自宅でシャンプーしてください。
ただそうもいかないことが多々あると思います。
・皮膚病変がかなり重度でシャンプーするのが怖い
・シャンプー中大暴れしてなかなかできない
・どうも家でシャンプーした後に痒がる
などなど
どのような場合は本院までご連絡ください
■実例
▼マラセチア性皮膚炎
シャンプー前 シャンプー後
数回のシャンプーで改善が認められました。
▼アトピー性皮膚炎
シャンプー前 シャンプー後
この子はシャンプー+内科治療で経過を見ています。
▼マラセチア性外耳炎
シャンプー前 シャンプー後
シャンプーの時は耳掃除も同時に実施します。
※症状の改善には個体差(体質、病状、生活環境などが関与します)があります。
※シャンプー療法の目的は症状の改善です。治る病気もありますが、治せない病気も同様にあります。
症状が良くなったからといってシャンプーをやめてしまうとまた元通りになってしまうことがあります。
■シャンプー予約状況
【○】予約可能 【△】残りわずか 【×】予約不可
※土・日・祝日の予約は大変込み合います。余裕を持ってご予約下さい
※当日予約は受け付けておりません。ご了承ください。